インフルエンザ脳症とは?脳炎との違いと解熱剤使用の危険性

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今年もすぐ冬が目の前に迫ってきています。

冬になると流行する感染症「インフルエンザ」は
高熱が出て合併症を起こすこともある病気です。

その合併症の一つ、「インフルエンザ脳症」についてご紹介します。

脳炎との違いについて、また解熱剤を使用することの危険性など
正しい知識を持って、家族をインフルエンザの猛威から守りましょう。

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インフルエンザ脳症とはどんなもの?

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インフルエンザは
まず鼻粘膜にウィルスが付着して、それが増殖することで発症します。

そのウィルスは血液を通して全身に回るので、
脳にも侵入しているとみられるのですがインフルエンザ脳症の場合、
脳にウィルスが侵入していないケースが多くみられます。

その他の理由でインフルエンザ脳症になるものと見られています。

インフルエンザに感染すると
そのウィルスを異物とみなして、血液中で白血球が増えて
ウィルスを排除しようと働きます。

その時、白血球がウィルスを攻撃する時に、
サイトカインという様々な物質が出るのですが

通常は人の体の細胞の機能を調節するために働くのですが、
インフルエンザウィルスが大量に血液中に増えることで

このサイトカインが過剰に出てアレルギー反応を起こすことが
インフルエンザ脳症の原因になっている
ことが分かってきました。
(これをサイトカインストームという)

インフルエンザ脳症を起こす原因としては、ウィルスの量や体質、
その時の体調にも関係している
ことが推測されています。

では、サイトカインストームが起こると脳ではどのようなことが起こるのでしょうか?

サイトカインは脳の中の血管に作用して、血液の中の水分を外へ出してしまうために
脳がむくみます。
(これを脳浮腫という)

脳浮腫を起こすと、脳内の圧が高まってしまい、
それが進行していくと膨れ上がった脳の行き場がなくなってしまって、
延髄を圧迫してしまいます。(これを脳ヘルニアという)

脳ヘルニアが起こってしまうと意識がなくなり、
呼吸が停止し、死に至ります。

これがインフルエンザ脳症なのです。

インフルエンザ脳症と脳炎の違い

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インフルエンザ脳症と脳炎の違いは、
症状がよく似ているので判別は難しいのですが

インフルエンザ脳症の場合は
脳にインフルエンザウィルスが侵入していないことが多い
という点が脳炎とは異なります。

どちらも同じように脳が炎症を起こして腫れ上がる病気ですが、
脳炎よりもインフルエンザ脳症の方が重症化しやすいと言われています。

見極めが難しい上に進行も早いので、死に至るケースもある危険な病気です。

インフルエンザ脳症の原因は解熱剤なのか?

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インフルエンザで高熱が出るときに解熱剤を使用しますが、
これがインフルエンザ脳症の原因と思っておられる方も多いのではないでしょうか?

解熱剤の中にアスピリンという成分が含まれているものを使うと、
アスピリンは血管からの水分の放出を促してしまうので
結果としてより脳浮腫を進行させインフルエンザ脳症を起こし、
重症化させてしまう
ということが分かっています。

インフルエンザ脳症の原因が
アスピリン系の解熱剤だけということはないのですが、

病気の進行をより助長してしまうという点で、
重症化につながるとして使用をしないことになっているので、

カロナールに代表される
アセトアミノフェン系の解熱剤が処方される場合が多い
のです。

インフルエンザ脳症にかかる確率

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季節性のインフルエンザによる、
インフルエンザ脳症は分かっているだけでも
年間100~200人が発症しています。

インフルエンザによる、
脳炎や脳症にかかる確立は1万分の1ほどで、
例えばはしかから脳炎や脳症になる確率1000分の1から比べると少ないと言えます。

インフルエンザ脳症で亡くなる方の確率は1~2割
3~4割は知的障害やてんかん
手足の麻痺などの重篤な後遺症
が出ています。

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インフルエンザ脳症の症状~大人・子供~

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インフルエンザ脳症は
主に5歳以下の子供が発症することが多いのですが
まれに大人も発症することもあります。

どちらの場合も重症化する危険な病気です。

インフルエンザ脳症の症状は大人も子供も同じで、
意識障害やけいれんを起こしたり、
異常な言語を発したり、異常行動を起こします。

大人も子供も、インフルエンザになってしまった時に
使う解熱剤はアスピリン系のものは避けます。

インフルエンザ脳症の前兆や前駆症状ってあるの?

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インフルエンザ脳症の症状として、
先ほど述べたような意識障害・けいれん・異常言動ですが
そうなってしまう前の前兆や前駆症状はあるのでしょうか?

けいれんは小さい子供の場合は高熱で起こる熱性けいれんも考えられますが、

●このけいれんが15分以上続く
●けいれんが治まっても意識がはっきりしない
●呼びかけても反応がない
●うとうとしている様子が見られる
●けいれんの前後に異常な言動がある
●その症状が長く続く

などという場合は要注意です。
このような前兆が見られたらすぐに医療機関を受診しましょう。

異常行動の例
★自分の手を食べ物と間違って食べる
★わけもなく何かに怯えている
★ついていないテレビの画面を見て何かが見えると言う
★急に怒りだす
★大声で笑いだす

というような事例が報告されています。

インフルエンザ脳症の対処法

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重症化することが多い上に進行が早く、
その見極めも難しいインフルエンザ脳症にどう対処すればいいのでしょうか?

対処法としては、
やはりインフルエンザにならないように予防することではないかと思います。

➀インフルエンザが流行しだしたら外出は必要最小限にとどめる
➁出来るだけ小さい子供は人がたくさんいるところに出歩かないようにする
➂帰宅したら、手洗い・うがい・と共に顔を洗ったり、歯を磨いたりする。
注意!
小さい子供によくあるのが、指で鼻をほじってしまったり、
手指を口の中に入れる行為ですが
この時に手をきちんと洗っていないと、そこですぐに感染してしまいます。

手洗いは一番重要です。外出先では特に気を付けておきたいですね。

インフルエンザ予防で、マスクをされる方も多いと思いますが、
これは息が少し苦しいほどの気密性のある物でなければ効果はほとんどありません。

マスクしているから大丈夫と思わず、手洗いなどをしっかり行いましょう。

インフルエンザの予防接種をしておくことも大切です。
これでインフルエンザの重症化を避けられたら、脳症になるリスクも減ります。

それでもインフルエンザに罹ってしまった時は、
抗インフルエンザ薬(タミフル・イナビル・リレンザなど)を
発症から48時間以内に投与
しましょう。
これでインフルエンザウィルスの増殖を抑えることが出来ます。

もし、インフルエンザ脳症を疑われるような症状が少しでも疑われたら
すぐに医療機関を受診しましょう。
インフルエンザ脳症の治療は時間との戦いです。

治療開始のタイミングで生死を分けるかもしれないので、早い判断が必要です。

まとめ

インフルエンザの流行の季節を控え、
怖いインフルエンザ脳症の事をご紹介しました。

死の危険もある恐ろしい病気ですが、インフルエンザの予防から始まり、
インフルエンザを発症してからでもその対処の仕方一つで運命が分かれます。

正しい知識を持って、きちんと医療機関を受診して、対策すれば大丈夫です。

自分も家族を危険な目に遭わせないように対処できるといいですね。

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